男子校男子、母を専属トレーナーにする

成長とからだの話

中学生男子の怪我は、治ったら終わりではなかった。

肉離れのあと、息子には少し後遺症のような違和感が残った。

運動するとハムストリングが固く感じる。
すると坐骨まわりが痛くなるらしい。

本人なりにかなり気をつけている。

運動前は30分ほどストレッチ。
以前のように、いきなり全力では動かない。

ちゃんと学習している。

しかし問題はそこではない。

本番は、帰宅後なのである。


お風呂のあと、なぜか母が呼ばれる

お風呂に入り、少しすると息子が現れる。

そして当然のように言う。

「ちょっと、押してほしいんだけど」

ついに来た。

本日のコンディショニング依頼である。

私は夜な夜な、息子のハムストリングを押している。

最初は恐る恐るだった。

「ここ?」
「強さ大丈夫?」
「痛くない?」

それが最近では完全に会話が変わった。

「今日は右が固い」
「坐骨側から流して」
「そこじゃない、その少し内側」

完全に現場である。

そして私は、いつの間にか理解している。

「ああ、今日はかなり張ってるな」

わかりたくなかった。

でも、わかる。


中学生男子の怪我で、母の手技だけ増えていく

さらに最近では、テーピングまで巻いている。

目的は、痛み軽減と再発防止。

最初は動画を見ながらだった。

しかし今では、かなり手が慣れてきた。

ある日、学校で先生が声をかけてくれたらしい。

「テーピング巻こうか?」

怪我を知ってくれている先生の、ありがたい申し出である。

しかし息子は普通に答えた。

「まいてるっす」

先生が驚く。

「これ誰が巻いたの?」

息子。

「お母さんっす」

その瞬間だけは、少し鼻が高かった。


こうして男子校男子に尽くす母は完成していく

最初は、ただ怪我を心配していただけだった。

痛がるから押す。
再発しないようにテーピングを巻く。
少しでも動きやすいようにストレッチを手伝う。

ただ、それだけだった。

でも気づけば私は、

ハムストリングの張りを確認し、
坐骨周辺を押し、
テーピングを巻き、
夜な夜な中学生男子のコンディションを整えている。

こうして息子につくす母は、徐々に完成されていく。

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