男子校の先生は厳しい?いい意味でちょっと雑という話
「男子校って厳しいですか?」
入学前、私はそれが一番気になっていた。
管理が厳しすぎないか。
宿泊行事は大丈夫か。
遠足は安全なのか。
そんな不安を抱えながら入学した。
うちは、なんでも話す男子だ。
今日なにがあったか。
誰がふざけたか。
先生が何を言ったか。
だから私は、だいたい分かっているつもりでいる。
でも、ときどき規模が違う。
男子校の遠足は現地集合
ある日、息子が言った。
「遠足、現地集合だって」
県をまたぐ場所でも、集合時間と場所だけ指定されるらしい。
「間に合わなかったら、引き返して帰れって」
さらに歩き遠足。
地図を渡され、班ごとに出発。
間に合わなそうになったら、
「ワープしろ」
歩き遠足なのに。
でもどうやら本気だ。
とにかく時間と場所は守れ。
そこは絶対。
宿泊課外学習の説明会で起きたこと
先生はいつもの調子で言う。
「毎年どこかのクラスで窓ガラス割れます」
その瞬間。
会場じゅうから、反射で悲鳴。
「えぇーーーっ!!」
ちょっとハモる。
毎年?
割れる前提?
母たちの感覚では処理できない。
でも先生は動じない。
なぜそんなことが起きるのか。
話を聞いていくうちに、少しずつ見えてくる。
初日のお昼用に持たせたおにぎり。
それがカバンの底で二日間眠り、
発見されたときにはボールのように固い。
そして野球が始まる。
男子は、ちょっとおバカだ。
共学なら止める誰かがいるのかもしれない。
でも男子だけだと、
ことが起こるまで気づかない。
だから、窓も割れる。
さらに先生は言う。
「忘れ物しても死にません」
でも続けて、
「名前は絶対書いてください」
毎年、最終日に使用済みのパンツを拾うらしい。
会場がまた揺れる。
今度は悲鳴ではない。
あぁー……という、
あきらめにも似たため息。
男子校は厳しくないのか?
甘いわけではない。
怒鳴るときは怒鳴る。
叱るときは本気だ。
時間も、提出物も、態度も。
守ることは、ほかにもたくさんある。
その枠の中で、好きにやれ。
うちはなんでも話す。
でもそれでも、
男子校男子の生態は母の想像を軽々と超えてくる。
男子校は厳しいのか、と聞かれたら。
厳しい部分もある。
でも、それ以上に。
先生は、男子を信頼している。
任せる。
挑戦させる。
もちろん、失敗もさせる。
窓も割れる。
おにぎりもボールになる。
でも、そのあとちゃんと叱られる。
そしてまた、任せられる。
全部を管理するのではなく、
枠を示して、あとは渡す。
男子校の先生は、
男子という生き物を知っている。
だから、いい意味で、ちょっと雑なのだ。



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