中学受験に失敗したと思っていた2年前の私へ。第三希望の学校で息子が伸びた話

母のつぶやき

2年前の母へ。

あなたは、息子の中学受験は失敗だったと思っていたよね。

第一志望も、第二志望も、受からなかったから。

偏差値でいえば、第一志望・第二志望からマイナス10ほどの第三志望の学校に進学することになった。

その学校は、学園祭にも行ったことがなかった。

学校説明会にも、きちんと参加したことがなかった。

知っていたのは、塾の模試会場になったときに、ついでのように聞いた学校説明会くらい。

正直に言えば、親の私の中では「まさかここに通うことになるなんて」と思っていた。

本当に、未熟だった。

こんな学校に行くことになって、と言ってしまった

中学受験の勉強は、親子で本当に大変だった。

きれいごとだけではなかった。

ときには取っ組み合いのようになりながら、泣いたり、怒ったり、言い合ったりしながら、どうにか走り続けた。

それなのに、届かなかった。

第一志望にも、第二志望にも。

私は、声に出してしまっていた。

「こんな学校に行くことになって……」

今思い出しても、胸が痛い。

本当に情けない親だったと思う。

一番悔しかったのは息子だったはずなのに。

一番頑張ったのは息子だったはずなのに。

その息子の前で、私は進学先を残念な場所のように言ってしまった。

2年前の私に言いたい。

それは違う。

その学校は、「こんな学校」なんかじゃない。

あなたの息子が、これから自分の力で居場所にしていく学校だよ。

それでも息子は、私立に行きたいと言った

私は、公立に行く選択肢もあると思っていた。

でも息子は言った。

第三志望だけど、私立に行きたい、と。

その言葉に、私はどこまで向き合えていただろう。

第一志望に落ちたことばかり見て、息子自身が選ぼうとしている道を、ちゃんと見ていただろうか。

今ならわかる。

息子は、ちゃんと前を向こうとしていた。

親の私より、ずっと早く。

気づけば、第三志望だったことを忘れていた

入学してからの日々は、あわただしかった。

新しい制服。

重い通学リュック。

慣れない電車通学。

定期テスト。

実力テスト。

部活。

保護者会。

三者面談。

毎日がバタバタと過ぎていった。

そして、いつの間にか忘れていた。

この学校が第三志望だったことを。

本当に、忘れていた。

なぜなら息子は、その学校でちゃんと自分の毎日を作っていたから。

定期テストも頑張った。

実力テストも頑張った。

部活でも活躍した。

先生に質問に行くようになった。

三者面談では、先生に言われた。

「文武両道を地で行っていますね」

その言葉を聞いたとき、本当に誇らしかった。

実力テストで7番になったと聞いたときは、驚いた。

高校生の問題集を自分でやって、先生に質問に行ったと聞いたときは、驚きを通り越して、

「それ、うちの子ですか?」

と思った。

2年前、受験に落ちたことばかり見ていた私は知らなかった。

この子は、場所がどこであっても、自分で伸びていける子だった。

早生まれの12歳が背負っていたもの

今になって、2年前のことを少し冷静に振り返れるようになった。

息子は早生まれ。

中学受験のとき、12歳になったばかりだった。

もうすぐ13歳になる子たちと、同じ試験を受けていた。

同じ土俵で、同じ問題を解いて、同じ基準で合否が決まる。

もちろん受験だから、それは仕方がない。

でも、12歳になったばかりの子が背負っていたものは、決して軽くなかったと思う。

よく頑張ったね。

本当に、いろんなことを我慢して頑張ったね。

遊びたい日もあった。

寝たい日もあった。

もうやめたい日もあったと思う。

それでも、最後まで走った。

そして、その頑張りは受験で終わったわけじゃなかった。

中学に入ってからも、まだ続いていた。

私はそこに、やっと気づいた。

合格した学校名だけが、努力の証明ではなかった。

今も頑張り続けていること。

それこそが、息子の力だった。

中学受験の結果がすべてではない

SNSを見ていると、毎週の模試の結果についての投稿が流れてくる。

偏差値。

クラス。

合格判定。

過去問の点数。

親は揺れる。

私もそうだった。

数字に振り回されて、合格可能性に一喜一憂して、子どもの顔より成績表を見てしまう日があった。

でも、2年たった今なら思う。

どんな結果でも、大丈夫。

もちろん、第一志望に受かることは素晴らしい。

努力が実ることは、本当に嬉しい。

でも、第一志望に届かなかったからといって、その子の努力が消えるわけじゃない。

進学した学校が、残念な場所になるわけでもない。

縁があった学校で、その子がどう過ごすか。

そこで何に出会い、誰に出会い、どう伸びていくか。

それは、入ってみないとわからない。

そして子どもは、親が思っているよりずっとたくましい。

親がまだ落ち込んでいる間に、子どもはもう次の場所で歩き始めていることがある。

2年前の私へ

2年前の私へ。

そんなに落ち込まなくていいよ。

その学校は、失敗の場所じゃない。

息子が、自分で選んで、自分で頑張って、自分で伸びていく場所になるよ。

あなたはまだ、第一志望に落ちたことばかり考えているけれど。

息子はその先で、ちゃんと笑っているよ。

テストで頑張って、部活で頑張って、先生に褒められて、友達と過ごして、毎日よくわからないことを言いながら帰ってくるよ。

そしてあなたは、いつの間にか思うようになる。

この学校でよかったのかもしれない、と。

いや、きっと。

この学校でよかったんだ、と。

P.S. 親ガチャあたったわ

先日、息子が笑いながら言ってきた。

「うちは親ガチャあたったわ」

え。

それ、どこで覚えた。

そして、どういう流れで言った。

男子校男子の発言は、だいたい急である。

でも、間違いだらけで、未熟で、何度も反省してきた親としては。

その一言が、ものすごく嬉しかった。

だから私は今、その言葉を毎晩、酒のつまみにしている。

第三志望だったことなんて、もう忘れていた。

息子は今日も、ちゃんと自分の場所で生きている。

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